● [概要]
青森県にあって、高原状に広がる八甲田山は、標高1,585mの八甲田大岳を中心として連なる火山群の総称です。
八甲田山は、大きく、北部と南部に分かれ、北八甲田は、大岳を主峰として高田大岳、井戸岳、赤倉岳、前嶽、田茂萢岳、小岳、硫黄岳、石倉岳、雛岳の10の山群、櫛ヶ峰をはじめ6峰の山々を南八甲田といいます。
それぞれの山は円錐状から台形状になっており、独立峰の厳しさより共和国的な「連なり」となっています。
また、八甲田山は、現在でも火山活動があり、地獄沼やその周囲にはガスを噴出する噴気口が残り、酸ヶ湯温泉をはじめ火山の影響が強い有名な温泉がいくつもあります。
八甲田の最大の魅力は広大な高層湿原です。夏には高層湿原ならではの貴重なトンボが多く見られ、美しい花の湿原、広大な緑の高原、多くの湖沼群などがあります。
また冬から春には樹氷の間を抜けて滑る「スキー」などの楽しみがありますが、ひとたび崩れると新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」に代表させる極寒の地となります。
● [山名の由来]
深田久弥の日本百名山・八甲田の項によると
「八甲田という名称が、この山の性質を現している。前岳、田茂萢岳(たもやち)、赤倉岳、井戸岳、大岳、小岳、石倉岳、高田大岳の八つの峰と、その山中の所々に湿地、つまり田が多いので、八甲田と名づけられたと伝えられている。」
とある。一方、同書の八ヶ岳の項では
「芙蓉八朶(ふようはちだ 富士山)、八甲田山、八重岳(屋久島)などのように、山名に「八」の字をつけた例があるが、いずれも漠然と多数を表したものと見なせばいいだろう。」
とある。
八甲田の「八」に関する、やや矛盾のあるところだが、一般に八百万の神、江戸八百八町など、「八」は、「漠然と多数を表したもの」の解釈が多く、前記八甲田の項は、「その山中の所々に湿地、つまり田が多いので、八甲田と名づけられたと伝えられている。」を重く採用した方が自然である。
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